世の中には、人間の意識というものに対する
知識や理解がない人の方が大多数なわけですが、
そういったことに関する
正しい知識がないまま人生を送ることって、
ものすごくマイナスな気がしてなりません。
以前、ネガティブな自分を変えることができないことを嘆いてる同僚に、
「ネガティブな状態がコンフォートゾーン
になってるからじゃない?」
と言ったことがありますが、それに対して彼は
「こんな状態、UNCONFORTABLEだ!」
って言ってました。
彼は僕よりも10くらい年上なんですが、
(英語圏ではあまり年齢は意識しないんですが)
あまりにも、深刻な顔してたんで、
それとなく説明してみたところ、
「若造に何がわかる!」
と聞く耳すら持ってくれませんでした。(苦笑)
歳とともに頭が凝り固まるのって
本当にもったいないと思うんですよね。
こうやってステージを上げることができないまま
ぐるぐるぐるぐるやっちゃうんだろうなって。
人間の意識に関する理解があると、
生活の中でのマインドセットを柔軟に調整したり、
意図的にステージアップする方向に
舵を切ったりできるんですけどね。
一般的な解釈では、
コンフォートゾーン = 居心地のいい場所(領域)
ですが、これは半分正解で半分間違いです。
居心地のいい場所というのは、
間違いなくコンフォートゾーンですが、
だからと言って、
居心地の悪い場所が、必ずしも
コンフォートゾーンの外だとは限りません。
顕在意識だけで物事を判断していると、
居心地の悪い場所や状態にある時、
「自分は今、コンフォートゾーンの外にいる」
と判断しっちゃたりしますが、
実はそれってコンフォートゾーンだったりするんです。
『Comfort』とは『心地よさ』と言う意味ですが、
辞書を引くと、二番目の意味として
『安心感』とあります。
つまり、コンフォートゾーンとは、
『安心感を保てる領域』『不安感を抱かない領域』
と解釈した方がしっくりきます。
たとえば、
日常的に罵詈雑言が飛び交う家庭で育った人は、
成長してからも似たような環境に身を置いてる
ってことはよくあります。
頭ではそれが居心地が悪いと思ってても、
潜在意識では、
そこにある種の安心感を抱いているからです。
また、物理的な空間に限らず、人間は
『意識のコンフォートゾーン』
というのを持っています。
『意識のコンフォートゾーン』では、
自分にとって『自然な状態』を維持しようとします。
フランツ・カフカの『変身』で、
ある日突然、気持ち悪い虫になってしまった
主人公ザムザが、家族に忌み嫌われながらも、
内心、淡々と過ごしているのは、
その状態が自分にとって自然だからです。
うつ病の人にとっては、
『うつという状態』が自然な状態、
つまり、コンフォートゾーンになってて、
回復までに時間がかかったりすることは
よくあります。
顕在意識では、自分の状態(症状)を嘆きながらも
潜在意識では、その状態が自分にとって自然なんです。
コンフォートゾーンを単に心地よい状態
という風に解釈してると、時には判断を誤ります。
あなたが不快感を感じながらも、
いつも同じ場所や意識でぐるぐるやってるなら、
コンフォートゾーンにいる可能性を
疑ってみた方がいいかもしれませんね。